不定期にサットサンガを開催しております





主催:ヨーガ情報ステーション 代表大麻豊(おおあさゆたか)
お問い合せ/ご予約はE-mail またはFAX にてお受けします。
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ヨーガ情報ステーション(トラベル・ミトラ・ジャパン内)
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 気楽な身心健康法 ヨーガ

                        近頃のヨーガ・ブームで、ヨーガ本が大好評。
スタイル抜群の女性モデルや白人男性の筋肉体を見ていると、つくづく二の腕や下腹の弛みが気になる。何とかならないかとお悩みのあなた。何ともならないよ、と言えば薄情者になってしまうが、何ともならない。でも、何事も諦めてはいけない。ヨーガによる恩恵は、そんなちっぽけなものではない。きっと何らかの恩恵があなたに与えられる。それは何かと問われたら、とりあえず「爽快さ」とお答えしておこう。日本式に考案された準備体操もあるが、「アーサナ(体位)」の概念に近づくため、省略する。とにかく一度、体験してみよう。



ヨーガ監修
インドの大魔王
第 1 回 コブラと屍のアーサナ  (効果)爽快さと正しい姿勢
第 2 回 背中を伸ばすアーサナ  (効果)慢性便秘など
第 3 回 半ねじりのアーサナ   (効果)便秘、消化不良など
第 4 回 動作と呼吸と意識  (効果)爽快さ、万病予防
第 5 回 バッタのアーサナ   (効果)骨盤と腹筋の強化
第 6 回 逆転のアーサナ    (効果)生命の活力、若返り
第 7 回 半「鋤(スキ)」のアーサナ (効果)背筋と腹筋の鍛錬
第 8 回 ツイストのアーサナ   (効果)ウエストシェイプ、肩こり
第 9 回 魚のアーサナ     (効果)甲状腺の働きを促す。
第10回肩で立つアーサナ   (効果)老化、生殖機能の減退を防ぐ
第11回脚に顔をつけるアーサナ (効果)肝臓/腎臓の強化、ヘルニア糖尿病など
第12回ワニのアーサナ    (効果)ウエストシェイプ、肝臓/すい臓/脾臓の活性化
第13回金剛坐のアーサナ    (効果)骨盤の矯正、便秘など
第14回ヨーガ・ムドラー   (効果)内臓器官の調整、神経系統の活性化
第15回弓のアーサナ     (効果)背筋の強化、肩こり
第16回半分のマッエンドラ・アーサナ (効果)便秘、消化不良など
第17回ガス抜きのアーサナ  (効果)ガス抜き、下痢体質改善
第18回輪のアーサナ      (効果)脂肪燃焼、便秘の解消など




   ★第1回 コブラと屍のアーサナ
(効果)爽快さと正しい姿勢
まずコブラのアーサナで自分の肉体がどれほど硬いか自覚してみる。アーサナの保持は結構つらいが、ちょっとがんばって。呼吸も速くなったね。そこで今度は、屍のアーサナで完全弛緩する。他のスポーツや体操には見られない、独特な体位。誰でもできるが、これを極めることはしばしば困難をともなう。疲れていると軽い寝息とともに眠り込んでしまうが、眠ってはいけない。この緊張と弛緩のコンビネーションが、ヨーガの極意である。

 【アーサナの取りかた】

●コブラのアーサナ
ゆっくり息を吸いながら上体を上げていく。両脇、両脚は開かない。
両腕は伸ばしきらないで“く”の字の状態で保持。苦しくなった息を吐きながらゆっくり下ろす。

●屍のアーサナ
 床の上に仰臥する。両脚は肩幅程度に広げる。軽く眼と口を閉じリラックス。
呼吸はごく自然に、意識はとりあえず鼻先に止めてみよう。まずは五分ほど、そのままで。
これが完全弛緩の体位。


 ★第2回 背中を伸ばすアーサナ

(効果)慢性便秘など

「背中を伸ばすアーサナ」を試してみると、いつの間に身体が硬くなってしまったのかと落胆してしまう。下腹の丸みが邪魔だ。両手の指先が、爪先に届かないのもしゃくだ。原因は分かっている。運動不足と不規則な食生活が原因である。指が爪先に届くと楕円を描き、全後背が引っ張られる。上体をゆっくり下ろすと“一文字”になる。これが完成のアーサナ。初心者は15秒程度でよい。体験的に言うと、爪先に届かなくても届くと想って5秒程度トライし、休息して再度トライした方がよい。但し、上体を屈伸運動のように揺らしたりしない。保持はトータルで一日3分以内に留める。焦らないで日々繰り返すと、“一文字”のあなたが、そこにいる。

         
【アーサナの取りかた】

両脚を伸ばして座る。息を吸いながら両腕を頭の上にゆっくり上げる。両腕、背筋を十分に伸ばす。
指先は天に届くように。息を吐きながら、爪先に着かなくてもそのまま上体を下ろす。少し苦しくなると
息を吸いながら元の体勢に。頭上の両腕を下ろし休息。この方法は初心者にお勧め。


第3回 半ねじりのアーサナ
(効果)便秘、消化不良など

アーサナの原語は「アルダ・マッエンドラ」と言う。アルダは半分、マッエンドラはヨーガ行者の名前である。完全ポーズ「マッエンドラ」は、周到に準備段階を経て、なされなくてはならない。そこで、半アーサナから始めよう。ほかのアーサナは前屈か後屈だが、このアーサナは両サイドにねじるところに特徴がある。便秘や消化不良などの効果が期待できる。頑張りすぎて背骨を傷めぬようご注意。

 
【アーサナの取りかた】

まず、両脚をそろえて座る。
右足のくるぶしが、ひざ膝の関節あたりに来るまで右脚を曲げる。
右腕を背後に回し、息を吸いながら左腕を高く上げ、吐きながら上体をねじる。
左手で右足首あたりをつかむ。その姿勢を保持し、自然呼吸。
さらに柔軟になると、左手の平を向って右側の床につける。
同じプロセスで上体を元に戻し、両脚を伸ばす。
休息後、同じように今度は左側にねじる。


 第4回 動作と呼吸と意識 
(効果)爽快さ、万病予防

締まりなく口を開けたままの若い男女が目に付く。唇が開いていると、口で呼吸することになる。呼吸は鼻でするものだ。口呼吸は病気の元になる。唇は軽く閉じたほうが美人になる。ヨーガの三大ポイントは「動作」「呼吸」「意識」である。初心者が呼吸法を実修することはないが、腹式呼吸に不慣れな人は、簡単な入出息を練習する。呼吸法(プラーナーヤーマ)には多種あるが、基本的に呼吸は鼻から吸って鼻から吐く。唇が開いたままでは、鼻から息を吸いづらい。これまでは「前屈・後屈」、「ねじり」と「屍」の4つのアーサナを紹介した。当分の間はこれらアーサナの動作をゆっくり繰り返すが、呼吸を加えることによってヨーガの爽快感が増すことになる。動作と呼吸を我がものにしたとき、あなたは意識を身体のどこへでも泳がすことが自然にできるようになる。

【腹式呼吸の仕方】
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【アーサナの取りかた】

正座し両手の平は腹部に。入息(息を吸う)で腹腔が広がり、出息(息を吐く)で収縮するのを体感する。
アーサナを実修する前に、5〜10回ゆっくり繰り返す。



 第5回 バッタのアーサナ
(効果)骨盤と腹筋の強化

シャラバ・アーサナの意味は、バッタである。かなり腹筋を強めるので、たるみかけた三十代のあなたのお腹を、お助け致します。爆笑すると、なぜか腹の皮まで笑ってしまう四十代のあなた、バッタのポーズは救世主になるかも。五十代以上は、無理をしないことが肝要です。初心者は、片脚バッタのポーズ、アルダ・シャラバ・アーサナがお勧めです。片脚づつ上げるアーサナは、伝統的なアーサナには見当たりません。シャラバ・アーサナの準備段階として考案されたものです。片脚バッタを修得すれば、次にあなたは完全な「バッタ」になる。中高年は完全である必要はなく、「中途半端バッタ」でもよい。

 【アーサナの取りかた】
親指を中に折り、にぎりこぶしをつくる。
手の甲、アゴは床につける。両腕は両脇から離さない。
息を入れながら片脚をゆっくり上げ、ポーズを保持する。
呼吸は自然に、苦しくなる前に、ゆっくり息を吐きながら下ろす。
 右脚、次に左脚を上げて少し休息し、息を整える。
次に両脚をいっき上げて保持するが、我慢できなくなる少し前に両脚を開放して下さい。
熟達者は完全ポーズを2〜4回繰り返す。

第6回 逆転のアーサナ
(効果)生命の活力、若返り
このアーサナを実修すると、生命活力がわいてくると経典にある。6ヶ月後には少し若返るらしい。気長に若返りたい方は、逆転のアーサナをだまされたと思ってやってみよう。「ヴィパリータ・カラニー」のヴィパリータは「逆にする」、カラニーは「行為」という意味である。日本では「逆転」と訳されているが、インドにおいては解剖学・生理学的に適訳がないらしい。次回の「鋤(すき)のアーサナ」のように逆転しないにもかかわらず、「逆転」と名づけられている。鋤のアーサナの準備段階と解説する本もあるが、本当は肩で立つアーサナの準備段階に行われるアーサナである。
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【アーサナの取りかた】
まずあおむ仰向けに寝て、リラックスする。両脚をそろえ、ゆっくり90度まで上げる。
息を吐きながら腰を浮かせ、両腕で腰を支える。
頭と首と肩甲骨は床に付き、両脚を腕とひじ肘で支える。
両脚は床に対して垂直にしたまま、6〜24秒間保持する。
あご顎が胸に付いてはいけない。目を閉じて爪先に意識を向ける。
保持の後は、腰を少し曲げ両手を床に付け、腰をゆっくり下ろす。
そして、息をは吐きながら両脚を下ろす。

 ★第7回 半「鋤(スキ)」のアーサナ
(効果)背筋と腹筋の鍛錬
鋤(農具)といっても、若い女性はご存じないかもしれない。
このアーサナをご覧になれば、イメージできるであろう。インド神話では武器にもなる。「城塞(じょうさい)を鋤の刃(ハラ)で打ち破った」とある。ハラ・アーサナは、背骨をしなやかにするのに最適といえる。脊椎(せきつい)の神経系統を刺激し、また腹筋も鍛える。若くない人、背骨の硬い人はゆっくりと、無理なくすべきである。けっして強い圧力を加えてはいけない。気短な人間は、足先が床に付かないので、両脚を上下にぶらぶらと揺らしてしまう。これは、硬くなった筋肉と脊椎を傷めるだけである。ヨーガを実修している時はのろまな牛のように進もう。

【アーサナの取りかた】
あおむ仰向けに寝て、両脚を揃え、息を入れながらゆっくり30、60、90°と上げていく。
それぞれ数秒間保持する。腰を浮かせ、息をは吐きながら両脚先を頭の先に下ろしていく。
最初は床に付かなくてもよい。そのまま保持し、呼吸は自然に。
苦しくなる前に、息を入れながら両脚を上げ、90°の状態に戻す。
息を吐きながら、両脚をゆっくり下ろす。

★第8回 ツイストのアーサナ
(効果)ウエストシェイプ、肩こり
アーサナの原語は「ヴァクラ」である。英訳は「ツイスト」だが、英和辞典には「(無理に)ねじる」とある。「ヴァクラ」には、無理に力を加えるという印象はない。ヴァクラ・アーサナは、近代ヨーガの父、クヴァラヤーナンダによって導入された。行者の特殊な「行」から大衆の健康法になり、大衆の為の簡易アーサナとして導入されたものである。腹部をねじるため、ウエストを絞るのに効果がある。脊椎がしなやかになる。上腕筋をストレッチするので肩凝りも緩和する。完全アーサナに至る前に、じっくり実修しよう。

【アーサナの取りかた】
両脚をそろえて座る。右脚のくるぶしが、左脚のひざ膝関節に届くまで曲げる。
右腕を背後に回し、手の平を床に付け、上体を支える。
息を入れながら左腕を上げ、は吐きながら下ろし、手の平を床の右側に付ける。
そのとき左腕で右脚を押すようにして上体をねじる。あごは右肩方向に、視線も背後に向ける。
3分以内にとどめ、苦しくなる前に逆のプロセスで上体を元に戻し、両脚を伸ばす。
休息後、同じように今度は左側にねじる。

  第9回 魚のアーサナ
(効果)甲状腺の働きを促す
 「魚のアーサナ」を、インド人は難なく修得してしまう。
わが身の硬さを恨んだが、やがて手足が日本人より長いことに気付いた。「なぁ〜だ。出来なくて当然だ」と安心した。筆者と同じく手足の短い人、まだ座禅坐り(蓮華坐)ができない人は、準備段階のアーサナ実修をお勧めする。このアーサナの原語は「マッヤ」で魚という意味である。次回解説する「肩で立つアーサナ」の効果を補完するもので、甲状腺の働きを促進するといわれている。肩で立つアーサナの効果を高めるためには、魚のアーサナを怠ってはならない。気管と胸部を開くので、アーサナを解くと息がスムーズに流れる。かぜによる鼻詰まりが一時的に解消されたという人がいたのでお試しあれ。

 【アーサナの取りかた】
両脚をそろえて座る。両ひじ肘で上体を支えながら、後ろに反らす。
頭頂部が床に付くと、両肘を使い脊椎(せきつい)を弓なりにする。眼は閉じない。
口は閉じて自然に呼吸する。苦しくなる前に、アーサナを逆行してほどく。 
完全アーサナは、イラストのように蓮華坐(両手で足の親指を握り両肘を床に付ける)から
前述した手順と同じように始める。初心者は仰臥(ぎょうが)し両手を頭の先に付け、その助けで弓なりになる。
ほどくときも、頭頂部を床から離して仰臥し、上体を起こす。

  第10回 肩で立つアーサナ
 
(効果)老化、生殖機能の減退を防ぐ

このアーサナの原語サルヴァンガは、「サルヴァ」が全体、「アンガ」は身体を意味する。つまり「全身」という意味である。英訳も「全身ポーズ」となっている。肩で立つアーサナと命名したのは、わかりやすいので適訳かもしれない。「サルヴァ」は「宇宙」とか「世界」という意味もある。近代ヨーガの元祖、ハタ・ヨーガ(生理的ヨーガ)は、肉体を究極まで操作してサルヴァに至る。つまりミクロ・コスモス(身体的宇宙)からマクロ・コスモス(大宇宙)に至る方法である。徹底的に肉体の操作を試みたのは、世界中でインド人だけだ。このアーサナは、甲状腺の働きを高めることによって全身の器官に影響を与える。老化現象と生殖能力の減退を防ぐ。両脚ではなく両肩で立つのは、常識の逆転である。
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【アーサナの取りかた】
仰向けに寝て、両脚をそろ揃え、息を入れながらゆっくり上げていく。
腰を浮かせ、息をは吐きながら両脚先を頭の先に向ける。
両手で胴体を支えながら、体が床に対して90°になるように姿勢を保つ。
あごは胸に付ける。初心者は1〜2分程度の保持。
自然呼吸をし、苦しくなる前に腰を下ろし、息を吐きながら両脚をゆっくり下ろす。
両腕を床から離さない、伝統的な「両手床付きサルヴァンガ・アーサナ」もある。

  
★第11回 脚に顔をつけるアーサナ
 (効果)肝臓/腎臓の強化、ヘルニア糖尿病など
アーサナの原語ジャーヌシールシャ・アーサナは、「ジャーヌ」はひざ膝、「シールシャ」は頭を意味する。「頭を膝につける」と直訳すると、頭のてっぺんを膝に付けようとする慌て者が出てくるかもしれない。老若男女にかかわらず、このアーサナによって健康の恩恵が与えられる。肝臓腎臓の強化、ヘルニアや糖尿病などにも有効である。

 【アーサナの取りかた】
背骨を立て、両脚を前に伸ばして座る。
右脚を曲げてかかと踵を会陰部にもってくる。
両腕を頭の上に上げ、息をは吐きながらゆっくり上体を膝に下ろしていく。
まだ顔が膝につかなくてもよい。
その状態を保持しながら自然呼吸し、息を入れながら上体をもとに戻す。
右脚を伸ばし、座りなおして休息。今度は左脚に替えて同じように行う。 
両手が足に届くようになると、さらに上体を延ばし隙間のないように顔と上体を脚に付ける。

  ★第12回 ワニのアーサナ
(効果)ウエストシェイプ、肝臓/すい臓/脾臓の活性化
サンスクリット語でワニを「クンビーラ」という。
辞典には「ガンジス河のワニ」とあり、漢字で書くと「金比羅(こんぴら)」になる。金毘羅さんは仏教の守護神(十二神将)の1人でもあるから男である。ガンジス河は、河そのものが女神、その女神の乗り物としてワニがいる。ワニのアーサナには2通りの方法がある。@ロシアにヨーガを伝えたベンガルのシヴァーナンダ師は、 「両脚を曲げた状態で行う」よう指導している。A佐保田鶴治さんは、「伸ばした状態で行う」。これを「わにの体位」と命名している。 腹部の脂肪がとれ、ウエストが引き締まる。肝臓、膵臓、脾臓の活性化に有効である。
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  【アーサナの取りかた】
両脚をそろえ、仰向けになる。両腕を体に対して直角になるように左右に伸ばす。手の平は床に付ける。

@両脚を曲げて行う場合:
 両脚をそろえたまま曲げる。息をは吐きながら両脚のひざ膝を右床のほうに下ろすと同時に顔を左
 に向ける。視線は左手の先にもってくる。息を入れながら逆行して元に戻す。次に膝を左床に下ろす。

A両脚を伸ばして行う場合:
 息を入れながら右脚を上げ、息を吐きながら左床に下ろすと同時に顔を右に向ける。
 息を入れながら逆行して元に戻す。吐きながら右脚をゆっくり床に下ろす。
 左脚、次いで両脚を同じ要領で繰り返す。

   ★第13回 金剛坐のアーサナ
(効果)骨盤の矯正、便秘など
このアーサナの原語は、ヴァジャラ・アーサナである。「ヴァジャラ」はサンスクリット語で金剛、ダイヤモンドの意味である。ヨーガ文献では、ヴァジャラは「ペニス」の意味もある。金剛はとてつもなく硬いという意味になるので、二つの意味を合わせると、なにやら怪しげな雰囲気になってくる。金剛坐は、アーサナというよりめいそう瞑想のための坐法である。次の段階「スプタ・ヴァジャラ・アーサナ」は、坐法から体位法に移ったものである。「スプタ」は眠っているという意味、つまり「眠れる金剛坐」ということになる。金剛坐で目を閉じて呼吸を整え、心を静めると、ゆっくりスプ
タ・ヴァジャラ・アーサナに移っていく。ポーズが完成すると、目を閉じて自然呼吸する。 前者は骨盤の矯正に有効である。後者は腹部のストレッチ、内臓の活性化を促す。便秘に効果がある

A
【アーサナの取りかた】
ヴァジャラ・アーサナは正座に近いすわり方で、2種類ある。
@足の両親指がかるく触れるように座る。A両足をお尻の外側において座る。
@、Aともに両手はひざ膝の上に置き、背筋をのばしアゴは軽く引く。
スプタ・ヴァジャラ・アーサナはAの体位から上体を後ろにゆっくりと倒す。
初心者は膝を開いてもよい。両腕は両脇に置く。
修練すると膝を閉じて、両腕を頭の下でクロスする。
体位の保持は3分以内にとどめる。

  
★第14回 ヨーガ・ムドラー
(効果)内臓器官の調整、神経系統の活性化
ヨーガと禅は、似て非なるものである。中高年から参禅すると脚を痛めることがある。
ヨーガは除々に身体をほぐしていくので年配者にも無理がない。まず全跏(ぜんか)(両脚を組むこと)から始める。これに熟達して次のポーズ「ヨーガ・ムドラー」に移ることができる。「ヨーガ」と「ムドラー」の複合語だ。ムドラーは「シンボル」を意味する。インド舞踊では、手で鳥獣や自然現象などをシンポライズに表現をするが、それもムドラーと呼ばれる。手話に近いものである。腹壁を強め、内蔵器官を調整するほか、神経系統の活性化に有効である。「クンダリニー」という内的エネルギーの上昇を助ける。

 【アーサナの取りかた】
床に両脚を伸ばして座る。右脚を曲げて左太ももの上に乗せる。
背筋を伸ばして息を吐きながら上体を前方に下ろす。そのまま自然呼吸で保持する。
苦しくなる前に息を入れながら上体を元に戻し、右脚を伸ばす。次に左脚を曲げて、同じプロセスをたどる。
 両脚が組めるようになると、両腕を背後に回し、右手で左手首を握る。前述のプロセスで上体を下ろす。
保持は5〜10秒以内にとどめる。3回ほど繰り返すが、最初は額が床に付かなくてもよい。

  ★第15回 弓のアーサナ
(効果)背筋の強化、肩こり
インドの哲学では、自分の中に「自己」がある。その自己のために体が存在し、体は自己を楽しませる役割をもつという。ヨーガを実修して自己を楽しませるのだ。しかし、この「ダヌル(弓)・アーサナ」を実修するときは、少し頑張らなければならない。体を弓形に保つのはきついからである。コブラ(第1回)バッタ(第5回)のアーサナを十分に修得すれば、きつさを解消できる。腹筋を強めるが、腹圧に関していえばバッタのアーサナほど強いものではない。横隔膜が内臓を圧迫することもない。背筋を強化するのは、コブラのアーサナよりも効果的だ。コブラおよびバッタのアーサナと同じ効果が得られる。さらに胸郭を広げ、腕や脚の筋肉をストレッチするので、肩凝りにも有効である。

 【アーサナの取りかた】
うつ伏せになり、両脚をそろえる。右ひざ膝を曲げ右手で足首を、次に左手で左足首をつかむ。
最初は両脚を開いてもよい。あごを床に付けたままの状態を保持し、弓のポーズを取る前に、
いったん逆プロセスでほどく。
息を整え、再び同じプロセスをたどり、息を入れながら、頭と両脚を上げていく。
腹部で全身を支える状態を保持し、苦しくなる前に息を吐きながら、ゆっくり両脚や頭を下ろす。
足首から両腕をほどき、うつ伏せになりリラックスする。

 ★第16回 半分のマッエンドラ・アーサナ
(効果)便秘、消化不良など
すでにねじりのアーサナ(第3回第8回)を解説したので、実修した人は、容易に「アルダ(半分の意味)・マッエンドラ・アーサナ」ができるかもしれない。でも油断は禁物、せきつい脊椎をねじるには十分注意が必要だ。最初は数秒間、軽く右と左に交互にねじる。1分以上行ってはいけない。徐々に保持の時間を延ばしていく。便秘、消化不良、肝臓、腎臓などに有効である。高い効果を得る為には、前屈や後屈型アーサナとの有効的な組み合わせが必要である。「マッエンドラ・アーサナ」はヨーガ行者のポーズである。我々には必要ない。半マッエンドラ・アーサナで十分に身体的な恩恵が得られるからである。

【アーサナの取りかた】
両脚を広げて座る。左脚を曲げ、踵(かかと)を会陰に付ける。右脚を曲げ、左太ももの外側に置く。息を吐きながら上体を右にねじり、左腕を右脚の外側にもってくる。左手で右足親指をつかむ。右腕は腰へ回す。顔と視線を右へ向ける。呼吸は止めてはいけない。自然呼吸し、苦しくなる前に逆のプロセスでほどく。呼吸を整え、左側にねじって同じプロセスをたどる。

 ★第17回 ガス抜きのアーサナ
(効果)ガス抜き、下痢体質改善
ストレスは波のように幾度も襲ってくる。ヨーガ行者の故郷リシュケーシュで、欧米人が高名なスワミ(僧)に質問した。『ヨーガ瞑想中に眠くなってしまいます。どうしたらよいでしょうか』スワミは即座に答えた。「我慢しろ」とは言わなかった。『ゆっくり眠ってから、実修しなさい』と。ストレスをためたまま、ヨーガを実修することは勧められない。さて、今度は体のガス抜きを試みよう。このアーサナの原語は、「スプタ・パヴァナムクタ・アーサナ」である。「スプタ」は眠っている、「パヴァナ」は風(空気)、「ムクタ」は解放の意味し、通称「ガス抜き」と呼ばれている。英訳では「gas removing pose」になっている。腸内にガスのたまりやすい人に効果がある。両脚を曲げるアーサナは脾臓、肝臓、腎臓、泌尿器官などに影響を与える。下痢体質改善に有効である。
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【アーサナの取りかた】
あお仰向けに寝て両脚をそろ揃える。
右脚を曲げ、太ももを胸部に付ける。両腕で右脚を抱く。
息をは吐きながら頭をあげ、あごをひざ膝に付ける。
自然呼吸で保持し、息を入れながら頭部をゆっくり下ろす。
右脚を伸ばして下ろす。
次に左脚、次いで両脚を揃えて曲げ、同じプロセスで行う。

 ★第18回 輪(わ)のアーサナ
(効果)脂肪燃焼、便秘の解消など
このアーサナの原語は「チャクラ」で、車輪、輪(わ)の意味である。ヨーガではエネルギーの集積所の事をいう。体の6ヶ所にあり、下部は会陰に、上部は頭頂にある。下部には蛇の形をした神秘的なエネルギーが潜んでいる。ヨーガを実修すると蛇が目覚め、5つのチャクラを通過しながら脊柱を昇り、頭頂から突き抜けるといわれている。経絡(けいらく)のように、科学的には完全に解明されていない。仮想のエネルギーとも思われるが、蛇が上昇したという日本人女性に会ったことがある。ホントウかな?と訝(いかぶ)りながら老婦人の頭を触るとコブのように脹らんでいる。蛇の上昇を恐れ瞑想を中止するとコブだけが残った。「チャクラ・アーサナ」は、エネルギーのことを指しているのではなく、「輪」のことである。解説図は、正確にいうと「アルダ(半)・チャクラ・アーサナ」である。完全な輪ではない。弓やコブラのアーサナを十分に修得し、脊椎(せきつい)をしなやかにしておく必要がある。中年層は困難を伴うが、均整のとれた体を取り戻し若さを保つことができる。胸郭の発達を促し余分な脂肪を取り除く。出産前はもちろんのこと、出産後もバストの美しさを保つと、ベンガルの行者シヴァーナンダは述べている。便秘、消化不良、腰痛にも有効だと付け加えている。とにかく、スマートになるということ。女性にとって願ってもないアーサナだが、中年族はしばらく恨めしそうに眺めていよう。

【アーサナの取りかた】
仰向けに寝て両脚を肩幅程度に開く。両膝を曲げ、踵を臀部につける。
肩の先に両手のひらをもっていき、床に付ける。ゆっくりと臀部を上げていき、頭頂を床につける。
手足と頭で体を支えながら、さらに円形状になるまで上げる。
ひじ肘は曲げない。30秒から3分以内にとどめ、苦しくなる前にゆっくりと戻す。


ありがとう




イラスト:ガネーシャ・ぽん子